古い塔の中

タタミ王国物語


 − 古い塔の中 −

そう!思い出したのよ。私が小さいころターミーがしてくれた話し。

カオリは古い塔に向かいながら考えていた。

あの時は化け物が出るって言ってたけど、それは箱を開けないようにするための口実。本当は何が入ってるのかしら…きっと見つかってはいけないものなのよ。
塔の入口ね前に立って見上げた。

「オモテ君!」

「ジュウ君!」

「ラグ君!」


繰り返し叫びながら中へ入ってみた。

「何処にいるの?」
薄暗い中にいきなり何かにぶつかった。

「ワッ!」

「誰?」

「その声は…ジュウ君?」

「カオリちゃん?」
居るはずのないカオリに驚きながら聞いた。

「どうしたの、カオリちゃん1人で来たの?」

「思い出したのよ!ずっと前、私にターミーが話してくれた事。」

奥から声が聞こえた。
「ジュウ君、ここに箱があるよ。」

オモテがジュウの方へよってきた。

「あれ、カオリちゃんじゃない。」

「どうしたの?」
賑やかになった所へ、ラグもよってきた。

ジュウが続けた。
「どんな話し?」

カオリは思い出したことを全部話した。

「化け物が出るんだって?!」
クスッと笑って、オモテが言った。

「化け物じゃなくて、何が入ってたんだろう。」
ラグが言うと、オモテが思い出した事をうれしそうに言った。

「そう!さっき見つけんだ。箱をね。」

「見つけた?何処にあるのその箱。」
カオリが聞くとオモテが奥を指さした。


「奥の部屋にあるんだ。」
そう言うと奥へ歩きだした。みんなその後を着いていった。

「暗すぎて見えにくいわね。」
カオリは転けそうになりながら歩いていく。ジュウが言った

「明かりが必要だよ。何があるのかわからない。」

「そうだよ、明るい時に出なおしたほうがいいんじゃないかな。」

ラグも足下の何かにつまづきこけそうになりながら言った。

「この箱だよ。開けてみる?」

「うん、開けてみよう!」

ジュウが興味津々で応えた。
カオリはこの箱から何が出て来るのかドキドキしていた。

「ダメよ開けてはダメ、怖い!」

オモテは目の前の箱を見つめ、少したってからおもいっきり蓋を開いた。

「開けてはダメ!」

カオリが叫んだ。蓋が開いたと同時に箱から何かが飛び出してきた。
オモテは驚いてひっくかえった。

「ば、ばけものだ〜」
オモテは慌てて逃げ出した。それと同時にジュウとラグ、カオリも外へ向かって走りだした。



「だから言ったのよ、開けたらダメだって。」

カオリは怒りながら、走った。

ウランとピースは、辺りを見回しながら皆を待っていた。すると塔の方から走って来るオモテの姿が見えた。

「化け物だ〜逃げろ〜」

そう言うオモテの後ろから、皆も走ってきた。ウランは何事かわからずピースと様子を見ていた。
オモテはそのままウランとピースの横を走り過ぎて行く。ウランも置いて行かれたくないと必死に着いて行った。ピースもとりあえず走った。
その日は、皆そのまま家に走り帰って行った。

カオリは、帰り着いて考えた。本当に化け物が飛び出して来たのかしら、だったら呪われる?皆、呪われるのね…

呪われるって何が起こるのかしら?

あの箱の中には何が入っていたのか。逃げ遅れた白い猫。
そう!アニーが入っていた。


「あの子達が、この箱開けるとは思わなかったわ。」

「化け物だって…失礼しちゃう。」

アニーは塔を後にして、ミューミューのもとへ帰って行った。



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